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塗装が剥がれる本当の原因は“塗る前”にある?金属塗装を長持ちさせるために知っておくべきこと
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塗装の剥がれや浮きは、なぜ起きるのか
金属塗装の剥がれや浮きが発生したとき、真っ先に疑われるのは塗料の品質や塗装作業そのものです。
しかし現場で長年施工に携わってきた経験から言えば、塗装剥がれの原因の多くは塗料でも塗装技術でもありません。
塗る前の工程、つまり素地調整(ブラスト加工)の不備にあります。

塗装剥がれ・塗装浮きの主な原因
塗装が早期に剥がれる原因は、大きく以下の3つに分類されます。
- 除錆度の不足
- 表面粗度(アンカーパターン)の不適正
- 塗装条件・環境の不一致
一つずつ見ていきます。
原因1:除錆度の不足
鋼材表面に錆・黒皮・油分が残った状態で塗装を行うと、塗膜は素地に密着できません。
見た目には綺麗に塗れているように見えても、素地との界面では密着不良が起きています。
この状態では、温度変化や水分の浸入をきっかけに、塗膜の浮きや剥がれが発生します。

ISO 8501-1などの規格では、除錆度をSa1〜Sa3の4段階で定義しています。重防食仕様ではSa2.5以上が求められることが一般的ですが、この基準が守られていないケースも現場では少なくありません。
原因2:表面粗度(アンカーパターン)の不適正
ブラスト処理を行った鋼材の表面を拡大すると、無数の凹凸があります。この凹凸をアンカーパターンと呼び、塗料が食い込むことで密着力を生み出します。問題は、この粗度が適正範囲を外れた場合です。
粗度が不足している場合、塗料の機械的密着力が得られず、剥がれやすい塗膜になります。逆に粗度が過剰な場合、凸部の塗膜が薄くなり、そこから錆が発生する原因になります。

使用する塗料の仕様に合わせた適正な粗度管理が、金属塗装を長持ちさせるための重要な要素です。
原因3:塗装条件・環境の不一致
素地調整が適切であっても、塗装時の環境条件が合っていなければ塗膜性能は低下します。
特に注意が必要なのは以下の点です。
- 気温・湿度:低温・高湿度環境では塗膜の硬化不良が起きやすい
- 結露:鋼材表面が結露している状態での塗装は密着不良の原因になる
- 塗り重ね間隔:前工程の塗膜が十分に乾燥・硬化する前に次の塗装を行うと層間剥離が起きる
これらは施工管理の問題であり、塗料の性能とは無関係に発生します。
なぜ「塗る前」が最も重要なのか
塗装工程を大きく分けると、素地調整・下塗り・中塗り・上塗りとなります。このうち、最終的な塗膜性能の大部分を決定するのが素地調整です。
どれだけ高性能な塗料を使用しても、素地調整が不十分であれば本来の性能を発揮できません。逆に言えば、素地調整が適切であれば、塗料は設計通りの耐久性を発揮します。

塗装性能は塗る前で決まる。これは現場における揺るぎない事実です。
金属塗装を長持ちさせるための3つのポイント
塗装を長持ちさせるために、押さえておくべきポイントを整理します。
- 除錆度の確認:使用塗料・環境・耐久年数に応じた除錆度グレードを明確に指定する
- 粗度の管理:塗料メーカーが指定する表面粗さの範囲内に収める
- 施工記録の保存:ブラスト後の写真・膜厚測定記録を残し、品質を可視化する
特に施工記録は、万が一問題が発生した際の原因究明にも役立ちます。見えなくなる前の状態を記録しておくことが、長期的な品質管理の基本です。
まとめ
塗装の剥がれ・浮きの原因は、塗料や塗装技術だけにあるのではありません。その多くは、素地調整の段階における除錆度の不足・粗度の不適正・施工管理の甘さに起因しています。
金属塗装を長持ちさせたいのであれば、まず塗る前の工程を見直すことが最も効果的です。
塗装剥がれ・塗装浮きの原因究明や、素地調整の品質改善にお悩みの現場責任者の方は、ぜひ一度アイエムショットへご相談ください。防錆管理士が、使用環境・塗装仕様に合わせた最適な施工をご提案します。