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ブラストコラム

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投射材の種類と選び方|素材別の正しい使い分け

投射材

ブラスト加工において、「どの投射材を使うか」は仕上がり品質を左右する重要な判断です。投射材の種類を誤ると、素材を傷つけてしまったり、目標とする表面粗さが得られなかったり、塗料との密着不良につながることもあります。

本コラムでは、現場でよく使われる主要な投射材の種類と、素材・用途別の正しい選び方を解説します。

投射材とは

投射材とは、ブラスト加工において被加工物に高速で打ちつける粒子状の研磨材のことです。「研削材」「メディア」とも呼ばれます。

投射材の種類によって、以下の特性が大きく変わります。

  • 切削力(どれだけ表面を削れるか)
  • 表面粗さ(アンカーパターンの深さ)
  • 適合する素材(鉄・ステンレス・アルミ・ガラスなど)
  • 再使用の可否(コストに影響)

主要な投射材の種類と特徴

① SS丸玉(スチールショット)

最もよく使われる投射材のひとつです。鋼鉄製の球形粒子で、均一な組織と硬度を持ちます。破砕されにくく長寿命なため、繰り返し使用でき経済的です。

主な用途

  • SS鋼材(一般構造用圧延鋼材)のブラスト処理
  • ショットピーニング
  • バリ取り・旧塗膜剥離
  • 鋳砂・中子砂の除去

特長

品質が安定しており、加工後の仕上がりにムラが生じにくいのが強みです。機械式ショットブラストとの相性がよく、大量処理に向いています。アイエムショットの参考価格では、SS丸玉を使った機械式ショットブラストは㎡あたり3,000円〜、kgあたり30円〜が目安です。
※価格は素材・形状・加工条件により変動します。詳細はお問い合わせください。

② SSグリッド(スチールグリット)

SS丸玉と同じ鋼鉄製ですが、粒子の形状が球形ではなく「鋭角な多角形」になっています。この形状の違いが、切削力の大きな差につながります。

主な用途

  • SS鋼材の錆・スケール除去
  • 鋳物・熱処理品のスケール除去
  • 塗装・メッキ前の下地処理

特長

鋭角なエッジにより高い切削能力を発揮します。真比重が高く、アンカーパターン(塗料が食い込む凹凸)を深く形成できるため、密着性の高い下地処理が求められる場面で力を発揮します。丸玉と同様に再使用可能です。

丸玉との使い分け

仕上がりを滑らかにしたい場合はSS丸玉、より強いアンカーパターンが必要な場合や切削力を重視する場合はSSグリッドを選択します。

③ アルミナ(酸化アルミニウム)

ステンレスやアルミ製品など、「鉄分が混入してはいけない素材」に使用する投射材です。樹脂系メディアに比べ硬度が高く鋭いエッジを持つため、切削力があります。

主な用途

  • ステンレス・アルミ・銅製品の表面処理
  • 鉄分を嫌う非金属製品のブラスト
  • 薄板や表面粗さを抑えたい場合

特長

耐食性・耐酸性に優れており、アルミ鋳物・ダイカスト・ステンレス・銅製品の研掃、バリ取り、面荒らしに広く適しています。SS丸玉やSSグリッドを使うと鉄分が素材に付着し、もらい錆の原因になる場合があります。アルミナはそのリスクを回避できる点が大きなメリットです。

④ ガラスビーズ

球状のガラス粒子を使った投射材で、切削力は低めですが、素材表面を必要以上に削ることなく均一な梨地(なしじ)仕上げを実現できます。

主な用途

  • ガラス・アクリル板の表面処理
  • 精密機械部品の付着物・酸化被膜除去
  • 下地処理(素材を傷めたくない場合)

特長

球状であるため表面粗さは控えめになりますが、均一な仕上がりが得られます。精密部品や美観が求められる製品、素材への影響を最小限に抑えたい場面に適しています。

⑤ サンド(硅砂)について

かつて広く使われていたサンド(硅砂)は、あらゆる素材に使用できる汎用性の高い投射材でした。しかし、粉塵として吸入した際の健康被害(じん肺)のリスクが問題となり、2007年4月よりISO及びJISの規格から除外されています。

アイエムショットではサンドは使用しておらず、安全性の確認された投射材のみで施工しています。また、硅砂には微量の塩分が含まれる場合があり、防錆・防食処理を目的とするブラストには不向きな面もあります。

素材別・目的別の選び方まとめ

素材・条件推奨投射材理由
一般鋼材(SS鋼材)の除錆・下地処理SS丸玉安定した仕上がり、コスト効率が高い
強いアンカーパターンが必要SSグリッド鋭角粒子で深い凹凸を形成できる
ステンレス・アルミ・銅アルミナ鉄分混入を防ぎ、もらい錆リスクを回避
精密部品・表面を傷めたくないガラスビーズ切削力低め、均一な梨地仕上げが可能
SUS材(ガラスビーズ以外)アルミナ耐食・耐酸性に優れ素材を選ばない

投射材と塗装の関係

投射材の選択は、塗装品質にも直結します。

特に注意が必要なのがジンクリッチ塗料を使用する場合です。この塗料は鉄と亜鉛末が直接接触することで「犠牲防食」の効果を発揮します。そのため、表面に鉄分が残留するSS丸玉で処理された鋼材とは相性がよいですが、ステンレスなどにジンクリッチを使う場合は、使用する投射材と塗料の組み合わせを慎重に検討する必要があります。

また、目標とする塗膜厚さや塗料の種類によっても、最適な投射材と処理条件が変わります。アイエムショットでは、こうした条件を踏まえた上で投射材の選定を行っています。

投射剤の種類と選び方に関するまとめ

投射材は「なんでも同じ」ではありません。素材・用途・塗料の種類に合わせて正しく選ぶことが、長期にわたる防食性能と塗膜の密着性を確保する第一歩です。

「どの投射材が適しているかわからない」「自社製品に最適なブラスト処理を相談したい」という方は、ぜひアイエムショットにお気軽にご相談ください!

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