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大型製品のブラスト加工はなぜ難しい?設備と技術の話
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ブラスト加工を検討する際、小型部品や定型品であれば対応できる業者は比較的多くあります。しかし「大型の鋼構造物をブラスト処理したい」「定形外の製品に対応してほしい」となった途端、受け入れ可能な業者が一気に絞られてしまう、そんな経験をお持ちの担当者は少なくないはずです。
なぜ大型製品のブラスト加工は難しいのでしょうか。本コラムでは、設備・技術・品質管理の三つの観点から、その理由を解説します。
理由①設備空間の確保が難しい
ブラスト加工は、原則として専用のブラストルーム(密閉された処理空間)の中で行います。投射材が飛散するため、屋外や開放空間での作業は現実的ではありません。
大型製品を処理するためには、当然ながらそれを収容できるだけの広大なブラストルームが必要です。建設・製造の現場で扱われる大型鋼構造物——橋梁部材、プラント配管、大型建設機械のフレームなどは、時に高さ数メートル、長さ十数メートルに及ぶこともあります。
こうした製品をそのまま搬入できるブラスト設備を持つ工場は、全国的に見ても非常に少ないのが現状です。
アイエムショットの
大型エアブラスト設備
2025年、第四工場の完成とともに、全国初となる大型ブラスト協働ロボットを導入しました。
高さ5m×幅4m×奥行き15m(容積160m³)の大型ブラストルームを保有。超大型サイズの製品にも対応できる環境を整えています。

ロボットの活用により、長時間・大面積の処理における品質の均一性がさらに向上。人手では届きにくい箇所への対応力も高まり、大型製品のブラスト加工の新たなスタンダードを切り開いています。
理由②機械式では対応できない形状がある
ブラスト加工には大きく「機械式(インペラ式)」と「空気式(エア式)」の2種類があります。
機械式
(スチールショットブラスト)

大型コンプレッサーからの圧縮エアを使い、ショットマンがノズルを操作しながら投射材を高速噴射する方式です。目視で確認しながら作業するため、どんな形状のワークにも柔軟に対応できます。投射条件を細かく調整できる点も強みです。
空気式
(エアブラスト)

インペラーと呼ばれる耐磨耗合金製の羽根車が遠心力で大量の鋼粒玉を連続投射する方式です。広範囲を効率よく処理できる半面、投射方向が固定されるため、複雑な形状や凹凸のある製品の隅々まで均一に処理することが難しいという制約があります。
大型かつ形状が複雑な製品には、この空気式エアブラストの技術と経験が不可欠です。
理由③搬入・搬出のオペレーションが複雑になる
大型製品のブラスト加工では、処理そのものだけでなく、工場内での搬入・搬出・保管のオペレーションも重要な課題です。
重量物を安全に移動させるためのクレーン設備や十分な天井高、作業導線の確保が必要になります。また、ブラスト処理後の製品は再酸化が始まる前(目安として4時間以内)に塗装工程へ移行することが推奨されており、工場内でブラストと塗装が完結できる体制かどうかが品質を左右します。

理由④大型製品ほど品質管理が難しい
製品が大きくなるほど、全面を均一にブラスト処理することの難易度が上がります。
処理にムラが生じると、未処理部分から錆が再発したり、塗料の密着不良が起きたりするリスクがあります。特に大型鋼構造物は長期間にわたって過酷な環境にさらされることが多いため、下地処理の品質が防食性能の寿命を決定的に左右します。
アイエムショットでは、ISO・JISの各種規格に基づき、防錆管理士の資格保有者2名が施工の品質チェックを担当。経験や感覚に頼らず、除錆度(Sa2.5やSa3など)と表面粗さ(RZJIS)の両基準を確認しながら、均一で正確な下地処理を実現しています。

大型製品に対応するための5つの設備
アイエムショットでは、大型製品から小型・精密部品まで幅広く対応するために、用途の異なる5種類のブラスト設備を保有しています。
①大型ショットブラスト(機械式・全自動)
スチール玉1.0mm〜1.4mmを使用。大量の鋼粒玉を連続投射でき、サイズの大きな部品や定形外製品に対応。全自動で粉塵環境への人的影響も少ない設備です。

②大型エアブラスト設備(空気式・半自動)
高さ5m×幅4m×奥行き15mの大型ブラストルーム。圧縮エアを用いた空気式で、ショットマンが目視しながら複雑な形状にも均一に対応できます。

③通過式ショットブラスト機
形鋼・鋼管・コラム・Lアングルなど長尺品に特化した設備。まとまった数量の連続処理も可能です。

④エプロン式ショットブラスト機(素材ブラスト)
小型の製品・素材向けの設備。投射材を容易に変更できるため、アルミ・ステンレス・ガラス・プラスチックなど多様な素材に対応します。
⑤ハンドブラスト機
投射材の変更が可能な手動式設備。あらゆる素材・形状のワークに柔軟に対応できます。
まとめ
大型製品のブラスト加工が難しい理由は、設備空間・加工方式の制約・搬送オペレーション・品質管理の四つが複合的に絡み合っているためです。
アイエムショットは、北陸地域でも希少なショットブラスト専門の加工工場として、建設・土木・インフラをはじめさまざまな業界からの依頼に対応してきました。「他社では難しいと断られた」「大型製品のブラスト処理を安心して任せたい」という場合は、ぜひお気軽にご相談ください!