ブラストの規格・基準
加工イメージ
用語と評価基準の目安
| 項目 | 内容 | 評価方法 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 除錆度 (Surface Cleanliness) | 鋼材表面のサビ・スケール除去度合い | ISO 8501-1 /SSPC-SP/JIS Z 0313 | 例:Sa2.5=ほぼ全ての錆が除去され金属光沢を呈する状態 |
| 粗度 (Surface Profile) | 表面の凹凸 (プロファイル) | ISO 8503/表面粗度計 | Rz 50〜100μmが塗装・溶射の目安 |
| 塩分汚染度 (Soluble Salt Contamination) | 表面に残る塩化物等の残留物 | ISO 8502-6/Bresle法 | 表面抵抗測定で確認 |
| 湿度・露点管理 | 結露や湿潤状態の確認 | 湿度計・露点計 | 結露状態での施工は不可 |
ポイント
- 橋梁・プラント用途:「Sa2.5+Rz50〜75μm」が標準
- 意匠・デザインブラスト:「Rz10〜30μm」程度で均一な美観が重視
- 測定器:表面粗度計(例:Testex、Elcometer)や比較板で管理
- 検査書に「除錆度・粗度・投射材種類・圧力・距離・時間」を記録して品質証明
除錆度と粗度の基準
ブラスト加工は「除錆度」と「表面粗さ」という2つの基準で品質が決まります。
除錆度はサビや旧塗膜の除去レベル、表面粗さは塗装密着性を高める凹凸の深さを示す指標です。
除錆度の基準
鋼材表面のミルスケールや錆、異物などの残存塗膜をブラスト処理後、どれだけ除去されたかを示す指標です。
ISO8501-1の表面処理規格
| 除錆度 | 除錆率 | 表面の状態 |
|---|---|---|
| Sa3 (ホワイトメタル) | 100% | ●錆・スケール・旧塗膜を完全除去 ●汚れ・色むら・影も許容しないもっとも清浄な状態 ●均一で明るい金属光沢 |
| Sa2.5 (ニア・ホワイトメタル) | 95%以上 | ●ほぼ完全にミルスケール・さび・旧塗膜が除去 ●局所的・点状の極わずかな汚れが残る程度 ●表面は均一な金属光沢に近い |
| Sa2 (コマーシャルブラスト) | 65%以上 | ●ほとんどのミルスケール・さび・旧塗膜が除去 ●固着したスケールが局所的にやや残る場合あり ●色むらはあるが、表面はおおむね均一 |
| Sa1 (ブラッシュオフ) | 65%以下 | ●目視でほとんどのミルスケール・さびが除去されている ●固着したスケール・さび・旧塗膜は一部残存 ●表面はザラつきがやや不均一 |
粗度の基準
ブラスト加工後の表面粗さは、JIS規格に基づく「RzJIS(十点平均粗さ)」で評価します。表面粗さにはJISが定める統一表記(RzJISなど)はありますが、加工の最適値は用途によって変わります。

当社では、使用塗料・要求膜厚・目的に応じて必要な粗さを設計し、最適な投射材と条件で仕上げます。
(例)無機ジンク塗装に必要な表面粗さは、RZJIS 25~75μ など
ポイント
除錆度(ISO8501-1Sa規格など)や粗度(Rz・Ra値など)を正確にコントロールすることが品質の要!当社では、ISO規格と防錆管理士による管理体制のもと、 材料・圧力・距離・角度・時間を一つ
ひとつ数値で管理し、「正しい下地」を提供しています。
主な規格一覧
表面処理やブラスト加工には、国際規格・欧米規格・日本工業規格・国内ガイドラインなど複数の基準が存在します。
国際規格
| 規格名・略称 | 発行機関 | 内容・目的 | 備考 |
|---|---|---|---|
| ISO 8501-1 | ISO (国際標準化機構) | 鋼材表面の清浄度(除錆度)を写真対比で規定/Sa1〜Sa3まで4段階 | 世界標準 日本でも採用多数 |
| ISO 8503-1〜3 | ブラスト後の粗度(表面プロファイル)測定方法を規定/比較板(ISO Comparator)による評価 | Rz値換算可 | |
| ISO 8502 シリーズ | 表面の塩分汚染・湿度・清浄度の試験法 | 塗装前検査向け |
欧米規格
| 規格名・略称 | 発行機関 | 内容・目的 | 備考 |
|---|---|---|---|
| SSPC-SP シリーズ | SSPC (米国防錆協会) | SSPC-SP5〜SP10など、清浄度・除錆度の詳細を規定 | 「ホワイトメタル」「ニアホワイト」など段階表記 |
| NACE No.1〜No.4 | NACE International | SSPCとほぼ同義/ 石油・化学プラント分野で多用 | 現在はAMPP統合 |
日本工業規格
| 規格名・略称 | 発行機関 | 内容・目的 | 備考 |
|---|---|---|---|
| JIS Z 0313 | JIS (日本工業規格) | 鋼材表面の清浄度・粗さの定義/ ISO 8501準拠 | Sa2.5の定義あり |
| JIS Z 0316 | ブラスト投射材の粒度・硬度・清浄度・形状試験法を規定 | 投射材品質管理に使用 | |
| JIS Z 0314 | 塗装前の表面処理(除錆・脱脂・粗化)の標準化 | 橋梁・プラント分野で一般的 |
国内ガイドライン
| 規格名・略称 | 発行機関 | 内容・目的 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 鋼構造物塗装技術指針 | 日本鋼構造協会(JSSC) | 鋼橋・プラント塗装の表面処理条件、除錆度Sa2.5や粗度Rz値基準を明示 | 現場ブラスト基準の基礎 |
| 防錆管理士技術資料 | 日本防錆技術協会 | 塗装前処理・測定方法・検査手順の実務基準 | 現場品質管理の教科書的資料 |
ポイント
複数の規格がありますが、これは業界ごとの要求品質や各国の標準化の歴史、評価方法の違いにより、それぞれ最適な基準が発展してきたためです。それだけ「ブラスト加工」は奥が深い技術なのです。