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スケール除去が必要な理由に迫る。ミルスケールを放置するリスクと除去方法を解説!
金属の表面にこびりついた黒っぽい酸化被膜、「スケール(ミルスケール)」を見たことはありませんか。「多少残っていても塗装すれば問題ないだろう」と考えてしまいがちですが、実はこのスケールこそが、後々の塗装剥がれや再発錆の大きな原因になります。
本コラムでは、スケールの正体と放置するリスク、そして主な除去方法について解説します。
スケール(ミルスケール)とは何か
スケールとは、鋼材の製造工程(熱間圧延)で、高温になった鋼の表面が空気中の酸素と反応してできる酸化被膜のことです。「ミルスケール」とも呼ばれ、黒っぽく硬い層として鋼材表面を覆っています。現場では「黒皮(くろかわ)」という呼び方もよく使われており、黒皮のまま出荷された鋼材(黒皮材)という言い方を耳にしたことがある方もいるかもしれません。
(黒皮は、鉄や鋼材を高温で熱間圧延する際に表面にできる黒色の酸化鉄皮膜のことで、いわゆる「黒錆」にあたります。)


一見すると鋼材をサビから守る保護膜のように見えますが、実際には内部の鋼材との密着が弱く、水分や湿気の影響で剥離しやすい性質を持っています。そのため、防食の観点では「除去すべき対象」として扱われます。
スケールを除去せずに塗装するとどうなるか
スケールを十分に除去しないまま塗装してしまうと、次のような問題が起こりやすくなります。
- 塗膜がスケールごと浮き上がり、内部から剥離する
- スケールの下に水分が入り込み、目に見えないところで腐食が進行する
- 数ヶ月〜数年後に「塗ったのにまた錆びた」というトラブルにつながる
厄介なのは、施工直後は問題なく見えてしまう点です。塗装で覆われてしまうため、スケールが残っているかどうかは表面から判断できません。だからこそ、施工段階でのスケール除去がその後の耐久性を大きく左右します。
スケール除去の主な方法
スケールを除去する方法には、いくつかの選択肢があります。それぞれ得意・不得意があるため、求める品質に応じて選ぶ必要があります。
ブラスト加工
投射材を高速で打ち付けて、スケールを機械的に除去する方法です。厚いスケールでも比較的短時間で除去でき、同時に塗料が密着しやすい表面粗さ(アンカーパターン)を形成できるのが大きな特長です。橋梁やプラント設備など、高い耐久性が求められる現場で標準的に採用されています。

酸洗い(酸洗処理)
酸性の薬液に鋼材を浸け、化学反応によってスケールを溶かして除去する方法です。複雑な形状の製品でも均一に処理しやすい一方、薬液の管理や排水処理など、環境面への配慮が必要になります。
電動工具・手工具によるケレン
ディスクサンダーやワイヤーブラシなどを使って、物理的にスケールを削り落とす方法です。部分補修など限定的な範囲には向いていますが、鋼材の奥深くに形成されたスケールまで完全に除去するのは難しく、仕上がりにもムラが出やすい方法です。

除去度合いには基準がある
スケールをどこまで除去したかは、感覚ではなく規格に基づいて判断されます。ISO8501-1では、除錆度としてSa3〜Sa1のグレードが定められており、数値が大きいほどスケールや旧塗膜が徹底的に除去された状態を意味します。橋梁やプラント設備など高い防食性能が求められる案件では、Sa2.5以上の高いグレードが指定されることが一般的です。
まとめ
スケール(ミルスケール)は、放置すると塗装の密着不良や再発錆の原因になる、見た目以上に厄介な存在です。
- スケールは鋼材の製造過程で生じる酸化被膜で、内部との密着が弱い
- 除去が不十分だと、施工直後は問題なく見えても後から剥離・再発錆につながる
- 除去方法にはブラスト加工・酸洗い・工具ケレンがあり、求める品質に応じて選ぶ必要がある
- 除去度合いはISO8501-1のSa基準に基づいて判断される
アイエムショットでは、防錆管理士が在籍し、ISO基準に基づいたブラスト加工でスケールを確実に除去したうえで、塗装まで一貫対応しています。「今の下地処理で本当に十分か不安」という方は、お気軽にご相談ください。